信州そば探訪・名産地のそば・幻の冨倉そば 「富倉そば」は、飯山市富倉地区に伝わる伝統のそばでその美味しさには定評があります。

富倉は、奥信濃の飯山市にあり、飯山と新潟県の北国街道(国道18号線)新井を結ぶ飯山街道(国道202号線)沿いにある山間の部落です。

飯山の市街から車を走らせると、すぐに人家がとぎれ、山間の道が続きます。富倉は、県境を越えようかなという手前に忽然と部落が現れるといった感じの所にあります。今でも昔懐かしい茅葺き屋根の家の点在する風景を残す農村で、冬はなうての豪雪地帯です。

「冨倉そば」は、この冨倉で代々伝えられてきたそばですが、そのおいしさは、口づてでは広がったものの、交通の不便なこの土地のしかも農家でしか口にすることができなかったことから、幻と言われているのではないでしょうか。

「富倉そば」は、ヤマゴボウ(山牛蒡)の繊維をつなぎに使った色の濃いそばで、このつなぎを使うことでそば粉の味が変わらないため十割そばのような香りと、つなぎ入りそばの喉ごしの良さを同時に味わえ、シコシコとした独特の歯触りがあります。

オヤマボクチ
茸毛
ヤマゴボウとは、モリアザミ、オニアザミ、オヤマボクチ(雄山火口)などアザミ類(キク科)をまとめて言う山菜の総称です。アザミと言っても毒はありません。葉っぱがゴボウに似ているため、アザミ類なのにゴボウが付く名前(ゴボッパとも言います)となっています。 ちなに、オヤマボクチのボクチ(火口)の名前の由来は、火を着火させる際にも利用したからです。

富倉ではヤマゴボウの中でも、主にオヤマボクチをつなぎに用いています。そばのつなぎに使う場合、根の部分は使いません。茸毛(じょうもう)と称している葉の繊維を使います。 葉の太い葉脈を抜き、手で揉んでは干しを繰り返して、残った繊維を取り出し、灰汁(アク)抜きをして乾燥させたたひとつまみをつなぎに使っています。 富倉は雪深い土地で二毛作が出来ないので麦の栽培が出来ず、小麦粉が手に入りません。雪深い土地に暮らす知恵として植物の繊維「茸毛」を使うようになったのだそうです。大変な手間と時間がかかるので冨倉ではながい冬の農閑期の作業となっています。

茸毛を使うと和紙における楮(こうぞ)の役割をはたしそばを極限まで薄く打つことも可能になります。いずれにしても、富倉そばは、すごい手間と時間がかかっているのです。

昔は現地に行かないとしかも農家でしか食べられなかった幻のそばも、現地では勿論、冨倉以外の場所でも食べられるようになりました。

現地では「かじか亭」(0269-67-2500)や「とみくら食堂」最近では「はしば食堂」(0269-67-2340)や「美咲茶屋」(0269-67-2517)などがオープンしています。

冨倉以外では、「郷土食堂」や「 富蔵家 」・「樽瀧」などがあります。

郷土食堂は、長野電鉄山ノ内線中野松川駅近くにある富倉出身のおばあちゃんが打つそばで、はじめて富倉そばが富倉を出た由緒のあるそば屋さんです。

富蔵家は、戦国時代甲斐の武田信玄軍と地元の村上義清軍の合戦の地上田原にあったそば屋さんですが、、平成14年末、店名も富倉家から富蔵家に変え、長野市善光寺前に移転しましたが、『茸毛そば(じょうもうそば)』と称して、極限まで薄くのばした富倉そばを食べさせてくれます。

また樽瀧は、平成13年12月にオープンした木島平村観光交流センターのなかにあるそば屋さんで、地元のそば研究会の有志が、地元産の地粉に、オヤマボクチをつなぎにして富倉そばと同じ製法で作る手打ちのそばが食べらます。

そのほかに未だ行ってないので確かめていませんが、上諏訪の「おやまぼくち」(0266-53-0370)という店も、富倉そばのつなぎの名前を屋号にして、旨い富倉そばを食べさせる評判の店です。野沢温泉村にも冬季しか営業していないと言う「庄平そば」(0269-85-3287)があります。・・・・

オヤマボクチをつなぎに使う幻の富倉そばは、私の知る範囲では、残念ながらインターネットショップや通販では手に入りません。現地まで足を運んで初めて味わえるそばなのです。

付記:日本テレビのみのもんたのおもいっきりテレビ(03/02/25放映)で冨倉そばがボケ知らずのそばとして紹介がありました。 オヤマボクチの繊維茸毛の中にある【食物繊維】が■コレステロールなどの老廃物を排出して血液をサラサラにする■有用菌群を増やし腸内環境を整える効果があり、【そばのルチン】は■毛細血管を丈夫にする作用がありますから、これらの相乗効果で脳をはじめ全身に栄養が運ばれ、元気でボケ知らずのカラダになるというわけです。

冨倉そばの食べられる店

信州中野市・郷土食堂

信州中野市
郷土食堂

飯山市富倉・とみくら食堂

飯山市富倉
とみくら食堂

木島平・樽瀧

木島平村
樽瀧


・参考リンク:[信州]All About 幻の富倉そば
・制作:03/02/25・更新:04/12/05
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