信濃の民謡:天屋節(諏訪地方)


アー 天屋わかいしょに
 逢うならよかろ ア ヨイヨイ
花の三月 泣き別れ
羊羹など和菓子を作るのに欠かせない寒天はところてん(原料のテングサ・ヒダグサを、ヒダグサを水に浸してアクを除き、木のウスでつき、煮沸抽出液を凝固させたもの)を、約二週間、凍結溶解乾燥を繰り返し乾燥させて作られ、最後に繊維質とグルテンのみからなるる白い海藻加工品である。 諏訪湖の御神渡り(おみわたり)に代表される冬の寒さの厳しいる諏訪盆地は、天然寒天の製造に適した土地柄であり、この時期平均2℃〜最低-15℃の寒冷地茅野市が主要産地として、全国一の特産地である。 寒天製造は、12月から3月(今では2月)の厳冬期に、出稼ぎ労働者によって行われれ、この労働者を天屋と呼んだ。 この歌は、きねつきや、夜間の寒さしのぎなどに歌われた労働歌で、原曲は田植え歌である。
寒天は、約三百年前京都で、たまたま夜戸外にうち捨てて置いた「ところてん」が、寒さにあって発見したといういわれを持つ。
搗けや若いしゅ 気を出して
         ア ヨイヨイ
唄はやめまい 夜明けまで
天屋さまとは 知らずと惚れた
         ア ヨイヨイ
花の三月 泣き別れ
花の三月 泣き別れでも
         ア ヨイヨイ
またも逢います 十二月
聞いておくれよ 昔も今も
         ア ヨイヨイ
お国自慢の 天屋節

・参考:塚田昌明著「長野県の歴史」山川出版社刊
・制作:99/02/07

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